8月25日より、リリース致しました
「草に坐って」
♪ジャケット情報
注:画像も含まれます
≪ライナーノートより≫
詩人自らの朗読とジャンルの異なる
八人の演奏家による魅力あふれるコラボレーション。
ライヴ録音ならではの生き生きとした
演奏をお楽しみいただけるアルバムです。
『作者コメント』
同じ呼吸で 同じ足どりで
新川和江(詩人)
はじめに混沌があった
それから光がきた
古い書物は世のはじまりをそう記している
光がくるまで
どれほどの闇が必要であったか
混沌は混沌であることのせつなさに
どれほど耐えねばならなかったか
そのようにして詩の第一行が
わたくしの中の混沌にも
射してくる一瞬がある
これはわたくしの「詩作」という作品の一節です。平野淳一さんが、わたくしの詩に付けてくださった曲を聴いていると、わたくしはしばしば、ここに掲出した〈詩の第一行が〉〈射してくる一瞬〉 ーつまり発想の現場にまで平野さんが、降りてきてくださっているのを感じ、涙ぐみます。詩と曲が、同じ呼吸で、同じ足どりで、そもそもの始まりの現場から歩みはじめていますので、しなやかないのちを持った〈うた〉として、ひとの心に届くのです。
このように、詩と丁寧に付き合ってくださる作曲家さんと出会えたことを、わたくしは、深い喜びとともに、感謝をせずにはいられません。平野淳一さんに対しては勿論ですが、目には見えない、大きな不思議なちからを持ったもの、ーそう、ミューズさまに、お礼を申しあげなければと、しきりにしきりに思うのです。
歌曲集「生きる理由」前書きより
感謝の気持ちをこめて
平野淳一(作曲家)
私たち夫婦が敬愛してやまない新川和江先生の詩によるCDが、ここに身を結んだことは、私たちにとってとても大きな歓びです。
はじめて新川和江先生の詩に取り組ませていただいてからの20年余りの間に、15曲の歌曲が生まれました。
この間に新川和江先生の詩は、時には時空を自在に行き来しながら、目の前に途方もなく大きな広がりを展開し、折につけ作曲に取り組む私とピアノを担当する妻大久保洋子は希望と力を与えられたものでした。またある時は、あたたかく包み込む包容力にゆったりとなごませていただいたりもしました。
このCDに、新川和江先生ご自身による朗読を加えさせていただけたことを、たいへん光栄に思っております。
また、魅力ある個性豊かな演奏家の皆さんの好演にも恵まれ、とても幸せな思いです。
末筆ながら、カメラータ・トウキョウにご紹介をいただきました中里 聡氏の恩師崎元 譲先生に、感謝のことばを申しあげるとともに、CD制作に際し、たいへんお手数をおかけしたカメラータ・トウキョウのみなさんに、心からお礼を申し上げます。
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